つまり。

「やった! やったぞ、メリフェトス!」

 ぱんぱかぱーん!と。頭の中で、盛大にラッパ音が響く。ぱぁぁぁと顔を輝かせたアリギュラは、ぴょんぴょん小躍りしながらメリフェトスの手を取った。

「ゲームクリアじゃな! 晴れて我らは、この世界の一員じゃ!」

「わ、ちょっと! こちとら満身創痍なんですからね? 引っ張るな、こら!」

「よいではないかー、よいではないかー! はは! ようやく我ら、自由の身ぞ! フリーダムぞ!」

「あー、もう。はしゃぐ気持ちはわかりますが……、あっ」

「うわっ!?」

 苦笑をしたメリフェトスが、ふいに足をもつれさせる。そのまま彼は、アリギュラを巻き込んでびたーんとひっくり返った。

「い、てててて……」

 しこたま腰を打ちつけたアリギュラは、顔を顰めて起きあがろうとする。けれども上半身を起こした彼女は、自分の膝の上にメリフェトスがうつ伏せになって倒れているのを見つけた。