あの時だってそうだ。勇者の放つ必殺技の中に、みすみす飛び込んできたメリフェトス。さっさと逃げればいいものを、ぼろぼろの身体を引き摺って、主を守ろうなどと最後まで馬鹿なことを考えて。
さすがのアリギュラも、あの時はもう終わりだと思った。けれどもメリフェトスは生き延びた。生き延びたどころか、異世界召喚についてくるというしぶとさだ。そんな執念深い男が、異界の魔王なんぞに負けるわけがない。
「先に町に戻っていろ。わらわはメリフェトスを連れて戻るゆえ」
そう言って、アリギュラは踵を返す。その背中を、キャロラインが引き留めた。
「待ってください。せめて……せめて、私たちも連れて行ってください!」
「……はあ?」
予想の斜め上すぎる言葉に、思わずアリギュラは振り返って首を傾げる。けれども怪訝な顔をするアリギュラをよそに、ジークたちも次々に声を上げる。
さすがのアリギュラも、あの時はもう終わりだと思った。けれどもメリフェトスは生き延びた。生き延びたどころか、異世界召喚についてくるというしぶとさだ。そんな執念深い男が、異界の魔王なんぞに負けるわけがない。
「先に町に戻っていろ。わらわはメリフェトスを連れて戻るゆえ」
そう言って、アリギュラは踵を返す。その背中を、キャロラインが引き留めた。
「待ってください。せめて……せめて、私たちも連れて行ってください!」
「……はあ?」
予想の斜め上すぎる言葉に、思わずアリギュラは振り返って首を傾げる。けれども怪訝な顔をするアリギュラをよそに、ジークたちも次々に声を上げる。


