『彼』は--メリフェトスは、青紫色の目を細めて首を傾げた。 「我が君。では、私はあなたをなんとお呼びすれば?」 見上げれば、チビ悪魔はにっと笑う。赤い空を背負い、チビ悪魔は堂々と小さな胸を張った。 「我が名はアリギュラじゃ」 アリギュラ様。そう繰り返すメリフェトスに、アリギュラは嬉しそうに黒髪を揺らす。 「しかと覚えておけ。今日より、おぬしの主人となる者の名前じゃ!」 * * *