魔力を手のひらに込め、メリフェトスにくっついたクリームおよびスポンジ、いちごを引き剥がす。「へぶっ」とメリフェトスが妙な悲鳴をあげるが、それには気をとめない。

 思い切り振りかぶったアリギュラは、勢いそのままそれらを3人の娘たちへと投げつけた。

「きゃっ!」

「いやっ!」

「ひゃう!」

 べちょっとクリームが跳ね、娘たちが悲鳴をあげる。

 ギョッとした様子でキャロラインがこちらを向く。わけもわからず困惑の目を向けるキャロライン(異界の悪役)に、アリギュラはどこまでも楽しそうに宣言した。

「茶番はそこまでじゃ。これ以上、わらわの友を愚弄するのは許さぬぞ!」