「メリフェトス!」

「はっ!」

 神官と言うよりは武官のような俊敏さで、美形の一級神官――たしか、メリフェトスという名前だったはずだ――が、右手を掲げる。

 途端、目映い光が神官の右手を満ちる。あまりの眩しさに、キャロラインは思わず「きゃっ!」と叫んで目を手で覆った。

 光が弱まったところで、恐る恐るキャロラインは手を下ろす。改めて神官を見たところで、キャロラインは思わず息を呑んだ。

「そ、それは!」

「聖剣だ!」

「光の剣だ!」

 同様に気づいた人々が、次々に喜びの声を上げる。
 
 そんな人々に目をくれることなく、神官は恭しく剣を握りなおす。神官がそれをまっすぐに空に掲げたとき、キャロラインは目を瞠った。