わっと歓声が上がり、会場は瞬時に祝賀ムードに包まれる。人々の喜びようを肌で感じながら、キャロラインは胸中でぐっと両手を握りしめた。

(や、やりましたわ! 我ながら、なんて完璧な前振りなのでしょう! これぞ、宴のホストとしての貫禄っ! これならジーク様も満足をして、私こそがジーク様のお隣に立つにふさわしいと認めてくださるはず……!)

 ちらりとジークを見れば、青い瞳と目があった。ジーク王子は優しく目を細めると、こちらをねぎらうように頷いた。それだけで、キャロラインは天にも昇る心地がした。

(~~~っ! 大☆成☆功、ですわ!! これで、第一フェーズは完了ですの。あとは、第二フェーズも成功させて、それからその後は……)

 達成感を胸に、この後の計画へと関心が移るキャロライン。

 ――だが。

 カツーン!と。空気を切り裂くように、高い音がホール中に響き渡った。