『10分かけて飲んで来い』


そういって主任は戻ってしまった。10分もかけて飲ませてくれるのか。
嫌違うな。私の顔だと今仕事できないからだ。

さっきまで握られていた、腕がまだあつかった
そこにはもう藍沢さんの熱はなかった

『・・・苦い』

カフェオレのはずなのに。いつもより苦く感じてしまう。今きっと心に余裕がないからだ。

藍沢さんの考えていることはよくつかめない。仕事ではつかめていた。それでも彼と2人の世界になるとどうしても、つかめない
当時はそれが心地よかったし、新鮮に感じれた

恋愛経験の少ない私にはハードルが高ったのかもしれない

瀬川さん心配してくれていたなぁ。

前エレベーターで一緒になったときに確認された。彼も聞いた話と違うのだろうと。私の話を聞いてくれた

それでもはたから見たら私なんて彼の役に立たない。将来をいいところにつかせる能力もない

だったら選ぶ方だってわかっているのに

当時の私は見る事を・・・嫌がっていたのかもしれない