『東堂っ!』
私の視界から勢いよく藍沢さんが離されている。そして何かあたたかいものにつつまれていた
『藍沢っ!お前なに考えているんだっ!
お前には見えないのかっ!?こんなに震えている東堂の姿がっ』
あー。聞きなれた声。安心するなぁ
『氷川見張ってたの??』
『馬鹿か。そんな趣味の悪い事はしていない
瀬川と外回りをしていたんだ。』
『そうですよ?藍沢さん?』
藍沢さんの後ろから見えるのは本気で怒っている瀬川さんの姿だった。笑っているけど目が本気で怒っている
『一応とっているんで。見せましょうか?お義父さんに??』
さっきまで私が肩をつかまれていた動画だった。いつの間にとっていたのか
『・・・言い訳なんていくらでも出来る
じゃあね?ひの』
藍沢さんはいつも通りに笑ってそのまま瀬川さんのよこを通り過ぎて行ってしまった。
怖かった
その瞬間に足の力が抜けてしまった
