会社を出ると先輩は人を待っていた。
「あ、先輩、お疲れ様です!誰か待ってるんですか?」と聞く俺。
「…やっぱりバカなのね。貴方よ!私の恋人さん」と言われて俺は硬直した。
「せっかくだから、ディナーでも、行きましょう。今後の話もあるしね」と言われて、俺は何も言えないまま従うしか無かった。
俺は車を取りに行き、先輩を横に乗せて車を走らせる。
「どこ行くんですか?」と俺が聞くと、
普通に道だけ案内されて、着いた場所は…
少しいかがわしいようなネオンのバーみたいなところだった。
中に入ると、「いらっしゃいませ~」ではなく、
「お帰りなさいませ、若…」だった。
えっ?先輩って何者?
困惑していると、「ジョーいつものお願い!店は貸し切りに」と店員さんらしき人に言っていた。
「へい、若…その方は…」と店員さんが言う。
「今日から私の彼氏になった。ヨロシク頼む。契約書にサインしたから別れるときは、契約破棄の時だ」と先輩は言った。
そして、先輩は運ばれてきたお酒、
ボトルを開け始めた。
えっ?グラスじゃなくて、ボトルで飲むの?
と俺は思いながらも、その光景を見守った。
「…兄さん、名前聞いてもいいっすか?」と呼ばれる俺。
俺は兄さんと呼ばれたことに驚きながらも、「山田篤人です」と名乗った。
「…篤人さんっすね!何飲まれますか?」と店員さんが聞いてくる。
「車なので、ノンアルをお願いします」と俺が言うと、了解です!
とすぐに準備してくれた。
「で、私の恋人として契約を結んだ以上、貴方には色々と知って貰わないといけないことがある。もちろん、これを聞いて、断るなんてことはあったら困るんだけど…過去には何度か同じようなことがあったから、それは避けたい」と先輩は言い出した。
そして、先輩は、自分の話を始めた。
生い立ちや学生の頃の話、若と呼ばれている経緯、そしてこのお店のことまで。
このお店は祖父のお店らしく、亡くなる時の伝言に先輩に継いで貰いたいと譲り受けたものらしい。
両親は、関わらないことを約束し、夫婦で海外移住して、祖父に先輩を預けて育てさせたとのこと…
そして、先輩は仕事帰りにたまにこの店に寄って見ているらしい。
普段は信頼しているという部下のジョーさんという店員さんが店を管理してくれてることまで話してくれた。
俺は最後まで話を聞いて、先輩が少しヤバい系になった理由を悟った。
「改めてサインはしてくれる?」と先輩は聞いてきた。
ゆくゆくは、ここを継いで、大好きなパートナーと共にここで過ごしたいという先輩の願いを知った俺は、
先輩に更に興味を持った。
そして、出来ることなら、先輩のその深く傷ついた心を癒し、俺はこれからも先輩のそばにいたいと思った。
確かに怖い人って思ってたけど、それだけじゃなかった…
ちゃんとそうなった理由があった…
それも複雑な環境下で育った先輩にあったからだと思うと何だかとても胸が締め付けられた。
「もし、貴方が私との契約を破棄せずずっと一緒にいてくれる決断をするなら、あの会社を辞めても働き口は確保出来るからね!」と先輩は言う。
だから、俺だったのかもしれない。
俺は改めて、「ヨロシクお願いいたします」と頭を下げて握手を求めた。
先輩は握手してくれた。
「あ、先輩、お疲れ様です!誰か待ってるんですか?」と聞く俺。
「…やっぱりバカなのね。貴方よ!私の恋人さん」と言われて俺は硬直した。
「せっかくだから、ディナーでも、行きましょう。今後の話もあるしね」と言われて、俺は何も言えないまま従うしか無かった。
俺は車を取りに行き、先輩を横に乗せて車を走らせる。
「どこ行くんですか?」と俺が聞くと、
普通に道だけ案内されて、着いた場所は…
少しいかがわしいようなネオンのバーみたいなところだった。
中に入ると、「いらっしゃいませ~」ではなく、
「お帰りなさいませ、若…」だった。
えっ?先輩って何者?
困惑していると、「ジョーいつものお願い!店は貸し切りに」と店員さんらしき人に言っていた。
「へい、若…その方は…」と店員さんが言う。
「今日から私の彼氏になった。ヨロシク頼む。契約書にサインしたから別れるときは、契約破棄の時だ」と先輩は言った。
そして、先輩は運ばれてきたお酒、
ボトルを開け始めた。
えっ?グラスじゃなくて、ボトルで飲むの?
と俺は思いながらも、その光景を見守った。
「…兄さん、名前聞いてもいいっすか?」と呼ばれる俺。
俺は兄さんと呼ばれたことに驚きながらも、「山田篤人です」と名乗った。
「…篤人さんっすね!何飲まれますか?」と店員さんが聞いてくる。
「車なので、ノンアルをお願いします」と俺が言うと、了解です!
とすぐに準備してくれた。
「で、私の恋人として契約を結んだ以上、貴方には色々と知って貰わないといけないことがある。もちろん、これを聞いて、断るなんてことはあったら困るんだけど…過去には何度か同じようなことがあったから、それは避けたい」と先輩は言い出した。
そして、先輩は、自分の話を始めた。
生い立ちや学生の頃の話、若と呼ばれている経緯、そしてこのお店のことまで。
このお店は祖父のお店らしく、亡くなる時の伝言に先輩に継いで貰いたいと譲り受けたものらしい。
両親は、関わらないことを約束し、夫婦で海外移住して、祖父に先輩を預けて育てさせたとのこと…
そして、先輩は仕事帰りにたまにこの店に寄って見ているらしい。
普段は信頼しているという部下のジョーさんという店員さんが店を管理してくれてることまで話してくれた。
俺は最後まで話を聞いて、先輩が少しヤバい系になった理由を悟った。
「改めてサインはしてくれる?」と先輩は聞いてきた。
ゆくゆくは、ここを継いで、大好きなパートナーと共にここで過ごしたいという先輩の願いを知った俺は、
先輩に更に興味を持った。
そして、出来ることなら、先輩のその深く傷ついた心を癒し、俺はこれからも先輩のそばにいたいと思った。
確かに怖い人って思ってたけど、それだけじゃなかった…
ちゃんとそうなった理由があった…
それも複雑な環境下で育った先輩にあったからだと思うと何だかとても胸が締め付けられた。
「もし、貴方が私との契約を破棄せずずっと一緒にいてくれる決断をするなら、あの会社を辞めても働き口は確保出来るからね!」と先輩は言う。
だから、俺だったのかもしれない。
俺は改めて、「ヨロシクお願いいたします」と頭を下げて握手を求めた。
先輩は握手してくれた。



