秒速ファシネイト






『え…いいよ。君が濡れるじゃん』



『私の家すぐ近所だし、足超速いから傘なんて必要ないの。


それにあなた…泣いてるから』





『…君の名前は?』




『私の名前は―――』






傘を渡された時に一瞬だけ触れた手は、すごくあたたかかった。






『私、春からS高生なの。もしあなたも同じ高校に来ることがあったら、その時は子分にしてあげる』