人気のない廊下の奥地で、一条凪にお弁当を渡す。
「なんか聞くとこによると今日誕生日らしいじゃん?
これ一応作ってみたんだけど渡すのやめようと思ったんだけど食べ物無駄にするのもアレだからあげる」
…余裕ぶって渡すつもりだったのに、
緊張で句読点が消滅した。
「………」
なぜか一条凪からの返答はない。
おそるおそる顔をあげて一条凪を見ると
「…っ見ないで」
一条凪はなぜか物凄い勢いで私から顔を逸らした。
口元に手をあて、俯いている。
え…
「そ、そんなにヤだったわけ!?
そりゃ私は料理のプロでもなんでもないけど人が作ったものにそうあからさまに嫌悪感を表すのは人としてどうなの!?一条凪」
あああああああ泣きそう。一条凪を責め立てながら泣きそう。
やっぱり渡すんじゃなかった!!



