「別に。
ただ何もわかってないようだから教えてあげようかなって」



「教えるって、勉強の話じゃ…」



「勉強なんてどうでもいいよ」




ねえ、と。




一条凪が私の耳元で、囁く。





「そのカッコ、誰のマネ?」



「…っ」




バレてる…!





「こ、これは別に。ただ今まで通りのカッコに飽きたからちょっとイメチェンしただけだけど?」




動揺してるのを悟らせないように華麗な演技で言い放つ。




「あっそう」




だけどたぶん…見破られてる?






「でも俺は、メガネない方が好き」





一条凪が、少し乱暴な手つきでメガネを奪い取った。




ぼんやりした視界で一条凪が言う。







「俺以外の好感度あげなくていいから」