私、朝倉 凪(あさくら なぎ)はルックス平凡、頭の良さ平凡、運動神経平凡、スタイル平凡のちょーーーーーーう平凡スペックを持つスーパーウルトラ平凡女子高生。


今日の寝坊の原因は、私のこの忌々(いまいま)しいくせっ毛が言うことを聞かなかったから。

いや、ほんとは10分ほど寝坊したけど…(小声)



「さっきから何言ってんの?きもちわりー」


「なっ!勝手に人の頭の中覗くのやめてくれますー?」


「俺はエスパーか!!!お前全部口に出てんだよ!!」



(はやて)は、ダルそうに壁にもたれかかった。



「…そうだ。お前、今日何の日か覚えてるよな?」


「え?何の日だっけ?颯の誕生日?おめでと」


「いや全然ちげーよ!!…今日アルバイト初日だろ?」



颯は呆れた表情で私を見た。



「あっ!そうだった!!」



私が、ぱんっと手を叩くと同時に教室の扉が開いた。



「お前ら声がでかいんだよ声が!!!」



「「ご、ごめんなさい!!!!」」



廊下にゴリラの雄叫び…怒鳴り声が響いた。