「やっぱりベンチに座っていいかな?」
俺は「あぁいいよ」と言って彼女をベンチに運ぶ。

いつもと同じ様にに会話をした。
彼女は、将来は小説家になりたいと言った。
初めて彼女の事を知った。
そしてもっと彼女の事を知りたいと思った。
「小説が出来たら読んでくれる?」
「うん、俺が君のファン一号だね」と言うと「うん」と言って犬の頭を撫でた。
「次来るときはケーキを買って来るよ」
「ケーキ?どうして?」
「ここで一緒にケーキを食べようよ」
タバコの煙が灰色の空に滲んで消える。
彼女は犬の頭を優しく撫でた後「うん」と言って涙を流した。