お盆辺りから深月先輩はそんな疑惑を抱いていたということは……つまり、私と花火を見に行った時には、既に差出人があさ兄じゃないかって疑っていたということで――。
『気が変わったんだよ。俺は深山みたいに、大層な身分じゃないし……』
「……だから、そうじゃないかって思ったから、深月先輩は大学進学を諦めたんですか?」
無意識に発した私のセリフに、あさ兄とセイ兄が深月先輩を見つめる。
深月先輩は顔を上げ、そうじゃないと否定したけれど、その言葉には説得力も信憑性もなかった。
「静夜、センター試験の出願手続きって、まだ間に合うよな?」
突然、あさ兄がそんなことを言い出した。
今はもう9月も終わり掛けていて、10月も目前。
「つーか、まだぎりぎり始まってもねーよ」

