「俺宛に、毎月、現金書留を送ってくれてたのって、深山さんだったんですね」
テーブルの上に置かれた封筒を、スッとあさ兄の方へと差し出す。
あさ兄が深月先輩にお金を送っていたことを、深月先輩は気付いてないって、セイ兄はそう言ってたのに。
あさ兄も同じ思いだったのか、ひどく驚いた様子で封筒を見つめ、「どうして……」と呟いた。
「……やっぱり、深山さんだったんですね」
泣きそうに微笑んだ深月先輩の言葉で、鎌をかけられたことに気付き、あさ兄はしまったとばかりに、下唇をわずかに噛みしめた。
深山さんですよね?という言い方をしなかったのは、そう訊ねたら否定されると思ったからだと、深月先輩は鎌をかけたことを謝った。

