カラフル☆デイズ


そこで日記は終わっていた。


涙で滲む視界の端で、あさ兄が静かに日記帳を閉じ、深月先輩へと返した。


「――これ、ありがとう。本当のことを知ることが出来て良かった」


「……古川が言った様に、最初に誘ったのはうちの親父の方だったんだな」


堪える様な表情のセイ兄に、深月先輩が「そうじゃない」と焦った様に腰を浮かせた。


「俺は、母さんが疲れ切ってたことに全然気付いてやれなかった。だから、深山のお父さんが誘ってくれなかったら……声を掛けてくれてなかったら、母さんは気持ち的にもっと追い詰められていたと思う」


深月先輩はセイ兄からあさ兄へと視線を向け、意を決した様に立ち上がった。


「最近になってようやく母の私物を片付ける気になれて、それでこれを見つけて……読んでみて初めて、母さんは深山さんのお父さんに支えられていたことを知ったんです……」


それが判ったら、あの時、一方的に深山さんたちを責めたことが申し訳なくなって……本当にすみませんでした――そう言って、俯いたまま更に深く頭を下げた。