私が傷付いている場合、あさ兄が取る行動は前者で、セイ兄なら後者だ。


もし深月先輩なら……多分、深月先輩も後者。


ふと、そんなことを考えた。


だけど、セイ兄の話は私が言いたかったことと、一体どう関係があるんだろう?


ティッシュで涙を拭っていると、背中をさするセイ兄の手が止まった。


「……親父の事故のことにしても、アイツのことで苦しんでた俺や朝陽にとって、そのことをまったく知らずにいるまひるの存在が、何も知らずにただ無邪気にまひるが笑ってくれてることが、俺たちにとっては救いだったんだ」


『――勝手だけど、どうか まひるは、変わらずにいてくれ……っ』


いつかのあさ兄の声が、脳裏に蘇る。