「ただいま……って、あれ?あさ兄は?」 いつもより遅く家に帰ると、私を見た途端に、セイ兄がソファから腰を浮かせた。 そのまま立ち上がって、私の横をすり抜けて行く。 「また仕事に行ったよ」 冷蔵庫を開ける音と一緒に、セイ兄の少し不機嫌な声が聞こえてきた。 「それよりお前、今までどこで何やってたんだよ。ケータイにも出ねーし、朝陽のヤツ、すっげー心配してたぞ?」 同時に聞える、バタンと冷蔵庫のドアが閉まる音。 「いる?」 セイ兄が自分の分とは別に、炭酸飲料のペットボトルを差し出してきた。