「セイ兄こそいちいち干渉してきて、まるであさ兄みたい!!」


とっさにその場から逃げ出そうとした私の腕を、またしても、いとも簡単にセイ兄に(つか)まれる。


セイ兄のこの反射神経が憎い。


「家では朝陽、学校では俺が、まひるのお()り担当なんだから諦めろ」


またこうやって私を子ども扱いするんだ。


だから、お父さんのことも、お母さんのことも話してくれなかったの?


そんな思いが込み上げる。


「……私は子供じゃないから、お守りなんかしてもらわなくても大丈夫だってば」