「そうじゃないよ。少なくとも、古川くんの所為ではない。だけど、父さんが事故に遭った際、父さんの他にも一緒に亡くなった方がいて――」


それが、深月先輩のお母さんだった。


「それって……、どういうこと?」


お父さんが事故に遭ったのは、初雪が舞った12月。


前日に雨が降ったこともあって、その日は道が凍っていた。


その所為でハンドルを取られた車は、運悪くガードレールを突き破ってそのまま転落した。


そう聞いていたのに、実は他の人を巻き込んでいたなんて……。


「あの日、父さんは仕事で出張に行くって言ってたんだ。それなのに、遺体が発見された時、助手席には深月くんのお母さんが乗っていた」