「――その様子だと、聞いてた……んだよな?」
セイ兄にそう問い掛けられて、そっと頷く。
私が頷いた瞬間、あさ兄は前髪を掻き上げる様に額に手を当てると、そのまま力なく項垂れ、セイ兄は天井を仰ぎ見た後、深くため息を吐き出した。
「あさ兄、セイ兄、どういうことか、ちゃんと説明して……」
お父さんが亡くなったことが、どうして深月先輩の所為なのか。
あさ兄が必死に働いているのが、どうして深月先輩の所為なのか。
本当は怖くて、知りたくない気持ちもあるけれど、私はちゃんと知らなくちゃいけないって思った。
あさ兄もセイ兄も、そして深月先輩も、私の好きな人たちだから。

