小さな声で「はい」と頷き、右足を一歩踏み出す。 だけど、 やっぱりあと少しだけ、ほんの少しでいいから、一緒に居たい――。 踏み出した右足とは逆の足を軸にして身体を半回転させると、そのまま背後に立っていた深月先輩に思いっ切り抱きついた。 「……っ、まひる?」 驚いているらしく、少しだけ動揺した深月先輩の声が耳元で震える。 「深月先輩、好きです」 好きって言えることが幸せだけど、好きって言うと余計に胸が苦しくなる。 離れ難くて抱きついてみたのに、抱きつく前よりも離れ難くなるなんて――。