ベッドの端のスプリングが少し沈んで、あさ兄がすぐ側に腰掛けたことが伝わってくる。


「まひる、」


あさ兄が布団の上に手を乗せた。


「まひる、さっきはごめんな。まひるのことを信用してないとか、そういうつもりじゃなかったんだけど……」


“まひるのことが大事で大事で仕方がないんだよ”


“何がまひるにとって幸せかよりも、不幸の方にばかり気を取られる”


“まひるが不幸になるんじゃないかって、先回りばっかして心配しまうんだよ”


さっき言われたばかりのセイ兄の言葉が、頭の中で繰り返される。