「その変態でシスコンの朝陽はさ、要するに、まひるのことが大事で大事で仕方がないんだよ」


「うん……?」


「だから、大事にし過ぎて、何がまひるにとって幸せかよりも、不幸の方にばかり気を取られる」


「不幸の方にばかり、気を……?」


「ん。もし、こうなったらまひるが不幸になるんじゃないかって、いつも先回りばっかして心配してしまうんだよ」


俺だって、その気持ちが判んないでもないしな。


そう言って、セイ兄が困った様にも、寂しそうにも見える小さな笑みを浮かべた。


昔からセイ兄は、私に関することでは常にあさ兄側に付いて、私の気持ちなんてお構いなしにあさ兄と結託していた。


その際、良くも悪くもこの手の感情は表に出さなかったから、こんな表情をするセイ兄を私は初めて見た。