――コンッ 控え目なそのノック音だけで、ドアの外にいるのがセイ兄だってことが判る。 ドアをノックする強さはあさ兄と大しで変わらないけど、セイ兄はいつも一回しかノックをしないから。 布団を頭から被っていてもノックする音はハッキリと聞こえたものの、返事をしないでいると、次にドアの開く音が聞こえた。 「……まひる」 「…………」 セイ兄が掛けてくれた声を無視して、身体を覆っている布団の端をギュッと握る。 あの言い争いからまだ一時間と経っていないのに、セイ兄の顔なんて見たくない。