あさ兄に嘘をついていたことに多少罪悪感はあったものの、やっぱりあさ兄を完全に信用せず、嘘をついて良かった。 「それのどこが、『何もしない』なの!?思いっきり何かする気じゃない!」 あさ兄の手を振り払って、テーブルにドンッと両手を付く。 こうなったら、意地でも深月先輩の名前は教えてないんだから!! 「とりあえず、落ち着けって」 今までずっと黙って成り行きを見ていたセイ兄が、私とあさ兄を執り成そうとした。