『それでも、まひるは恋をしたい?』


今までは『恋』と聞くと、ピンク色に金色のラメが散りばめられたキラキラと輝くイメージが浮かんでいたのに。


早くも『恋』って聞いただけで『変』と脳内変換されてしまい、紫色とベージュのマーブル模様が渦巻く微妙なイメージが浮かぶ様になってしまってる。


あー、もう!!だから、こういう変なことを言うあさ兄の言葉は、聞きたくなんてなかったのにぃー!!


「あさ兄なんて、恋をしてなくても変じゃない!」


あさ兄に掴まれていた腕を、勢いよく振り解く。


「とにかく、私は愛だの恋だのに、(うつつ)を抜かしたいのっ!!彼氏が出来るなら、変でもいいもん!!」


「愛だの恋だのに現を抜かすのは良いけど、さっきから二人の()かす阿呆な会話が、外までダダ漏れなんだけど……」


突然の声に驚き振り向くと、開けっ放しになっていたリビングのドアの所には、スクールバッグを片手に、呆れた表情のセイ兄が立っていた。