カラフル☆デイズ


嘘をつく時、そこには真実も織り込むのがコツだって、何かで耳にしたことがある。


今はまだ全部を白状する気になんてなれない。


やっと深月先輩と上手く行き始めたばかりだし。


今はまだ私が一方的に好きなだけで、付き合ってはいないという話にしておけば、そんなに大事にはならない……はず。


「そもそも、今日一緒に出掛けておきながら、それで付き合ってないとか言われても、信憑性ゼロなんだけど」


突然、横から口を挟んできたセイ兄を睨んだ。


「一緒に出掛けた訳じゃないから」


途中でバッタリ会っただけ、という私の嘘を、あさ兄が見破ったかどうかは判らない。


ただ、「その、まひるが好きな人、誰なのか教えて?」とあさ兄が微笑んだ。