黙って二人が私を見つめる中、意を決して口を開いた。 「……あのね、あさ兄、セイ兄。私……好きな人が出来たの」 「――それって、さっきの男?」 怖いくらいに落ち着き払った反応を見せるあさ兄と目を合わすことが出来なくて、テーブルに目線を落としたまま頷く。 「その男とは、もう付き合ってるの?」 さすがにこの質問には素直に首を縦に振れず、小さく横に振った。