「それより、まひるに男友達？」
大人なんだから、ここは見なかったフリとか、はぐらかされたフリをしてくれたって良いのに……！
と思うのだけれど、あさ兄は大人げないほど、顔が笑ってない。あからさま過ぎだよ、あさ兄……！！
こうなったら意地でも白を切るしかない。
「それより、それより、それより……顔見た？」
「見てない。というより、見えなかった」
それが心残りとばかりに、あさ兄は右目を細めた。
「でしょ？だと思った！さっきの子、よく男の子に間違われるけど、実は女の子なんだよ？失礼だから、もう間違わないでね」
「顔は見えなかったけど、声はバッチリ聞こえた」
