耳を塞ごうとして上げた両手は、耳に当てる前にあさ兄に掴まれて
「だから字の通り、恋をしている人は変な人に似ているんだよ。恋をすると変になるけど、それでも、まひるは恋をしたい?」
あさ兄の話す意味不明な言葉は、見事に私の耳に届いてしまった。
“恋をしている人は、変な人に似ている”?
そんな言葉、初めて聞いた。そんなこと言ったのは、どこの誰!?
――って、こんな変なことを言うのは、あさ兄くらいしかいないし!
このセリフが頭にこびりついて、恋の淡いイメージが、変なイメージで塗りつぶされそうだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…