ムスッとしたまま睨みつける私に、あさ兄は困った様な表情を浮かべた。
「まひるは、そんっなに、水上くんが好きなのか?」
「正直、まだそんっなに好きって訳じゃないけど、でも、私だって恋をしてみたいの!彼氏が欲しいの!!」
全身で力いっぱい叫ぶ私を、あさ兄はどこまでも落ち着いた様子で見下ろしていて、その静かな瞳に長い睫が影を落とした。
ほんの数秒ほど何かを考え込んでいたあさ兄は、ゆっくりと目を開けると同時に口を開いた。
「まひる、“恋”は“変”という字に似ているって、知ってる?」
……はい?
あさ兄の言葉に、唖然とする。
恋と変は字が似ている?だから、何だって言うのだろうか?
や、ちょっと待って!やっぱり聞きたくないんですけど……!!

