そんなあさ兄が背後に控えている面倒くさい環境の中で、勇気を出して私と仲良くしてくれる男子なんて、いるはずもなく……。
中学は他の小学校だった子もいたけれど、私と同じ小学校だった子たちもほとんど一緒ということもあり、あさ兄の存在はここでも当然知れ渡っていて、環境に変化なんて望めなかった。
だから、高校生になったらそんな環境から抜け出して、思いっきり恋愛を満喫しようって思ったのに……!
リア充という人種にカテゴライズされたかったのに!!!
その為にも、あさ兄にはもう干渉して欲しくなくて、高校一年の時に言ったんだ――あさ兄と、兄妹の関係でいるのはもう嫌だ、って。
高校の皆には、あさ兄の存在を知られたくない、って。
なのに、なのに!
どこをどう解釈すれば、血の繋がった妹の発言を、『兄としてじゃなく、恋人としての関係を望んでいる』様に受け取れるのかなぁ!?

