「今度ちゃんと紹介してよね?まひるの“彼氏”!」 「はひ……」 彼氏という響きが照れくさくて、“い”の部分が力ない発音になる。 そんな私に気付いた千紗は、ニヤニヤ笑顔で私を見た後、机の横に掛かっていた私のスクールバッグを取った。 「パフェかクレープでも食べて帰ろっ」 うん!と返事をして、千紗からバッグを受け取る。 バッグの持ち手部分に腕を通したたところで、珍しくスマホが鳴った。 「――セイ兄からだ」