「……兄貴たちにバレるとマズイんだろ?」 「バレない様に頑張ります!」 私が力強くそう言うと、先輩は少しだけ困った様な顔をしたけれど 「まずはその前に、期末テスト頑張れよ?」 そうしたら出掛けても良いよ、と私の頭を撫でた。 嬉しくなって、先輩を見上げて微笑む。 先輩は、絶対に自分からは誘ってくれない人だと思う。 だけど、いつだってちゃんと向き合って、受け止めてくれるから、私はこうして勇気を振り絞ることが出来るんだ――。