きっと、私が深月先輩に「ここ教えて下さい」って言えば、先輩はすぐに教えてくれるはず。 「……深月先輩、この問題、教えてください」 試しにそう言ってみると、「解き方なら」と即座に返答があった。 深月先輩のその返事に頷くと、先輩は食べようとしていたアスパラベーコン巻きを「これ食いながら、待ってな」と私の口に入れた後、お弁当箱と問題集をサッと入れ替えた。 突然のことに俯いて食べながら、今度はお弁当とにらめっこをしながら思った。 先輩のこういうところって、卑怯。 だけど、たまらなく好き――。