見えない顔からは、ため息を吐き出す音が聞こえてきた。 「だって、お前……彼氏いるだろ?」 ……はい? 「彼氏?誰に……?」 深月先輩の言ってることがますます理解出来なくて首を傾げた私に、先輩が顎でクイッと、私を指し示した。 私に彼氏?また、“彼氏”!? 何で彼氏がいたことのない私に、こうも彼氏の影が付きまとうんだろう? ――って、そんなの理由は一つしかない。答えは決まってる。 それもこれも……全っ部、あのギリギリアウトなあのあさ兄の所為だ。