どうしよう……判ってしまった。 何で、先輩の側にいると変になるのか。 深月先輩に名前を呼ばれる度に高鳴る、胸のドキドキの意味も。 どうして、私の名前を呼ぶ声や、鼻先を掠める先輩の匂いが、こんなにも胸を締め付けるのか。 私、全部、全部、判ってしまった――。 心地良い一陣の風が吹いて、目の前にいる先輩の髪や私のブレザーの裾を揺らす。 その瞬間、私の気持ちも、どうしようもなく揺さぶられたんだ。 「深月先輩、私、先輩のこと、多分、絶対、好きです――」