僕っ娘の僕

_ある日のこと_
「森本、なんの歌聞いてんのー?」
「ん、?色んな歌。」
「へー!俺にも聞かせろっ!」
そして谷くんは無理やり私のイヤホンの片っぽを取って、自分の耳に付けた。
(なんで私のイヤホン〜〜〜〜〜!)
「お前、この歌手好きなのか?」
「うん、大好きだよっ」
「ほんと?!俺も俺も!!!」
「まじ?!誰派なの?!」
私が食いつくと、谷くんは唖然とした顔で私を見る。
「あっ、ごめんなさい、馴れ馴れしくしちゃって、私…!」
「えっ、ダメなのか?馴れ馴れしくしちゃ。俺はめっっっっちゃ嬉しいけど?」
「…え?」
小学生時代。
馴れ馴れしくしたら夏樹に屋上で殴られてた。
「私、馴れ馴れしくしていいの…?!」
「もちろん!てかしてくれよ笑」
「ありがと、はると…!」
「おうよ、あかり!」
この時から、私とはるとは親友になった。