僕っ娘の僕

__入学式__
なんで私の隣の席が男子なの?
はるのせいで男子が怖いのに。
隣が同性の子だっていっぱい居る。
でもなんで私は…!
"谷“と"森本“で出席番号離れてるくせに!

「なぁなぁ、名前は?」
谷に聞かれた
私は無視した
「無視すんなよー。仲良くやろうぜ。」
「私、男の人が怖いの。あまりベタベタ触らないで。」
「俺の名前は谷はると!!よろしくな!」
谷くんは私の話なんて無視して、満面の笑みでこちらを見た

「は、る…。」
「お?みんな俺の事はると とか谷って呼ぶけど、はるって呼びたいなら別にいいぜ!」
「やだ、はるじゃなくて谷くんにしとく、」

思い出したくない、あの名前。
はるって呼ぶ度に思い出しちゃいそうだから、あまり聞きたくなかった。

「お前の名前は?」
「森本…あかり、です。」
「森本かー!よろしくな!」

それから、谷くんは私にしつこく話してくるようになった。
「森本、この問題も解けるんだ…頭、いいんだな。」
「別に。」

でもだんだん心の扉が開いてきて。
ある日のことがきっかけに、谷くんは私の親友になった。