花が咲いたら恋に落ち、花が落ちたら愛が咲く


 いつも祖母の半歩後ろで身辺の世話をしている佐藤さんが、これほど強くこちらに希望を伝えてきたのは初めてだ。


 「わかりました」


 一礼をして、大人しく部屋に戻る。

 母屋で何が行われているかは、俺の知るべきことじゃない。


 わかったことはそれだけだったけれど、それで十分だった。