浜辺で散々泣いた彼女は、一年分の涙を流したと笑って言った。
田舎に来たもんだから、昼食を食べられるようなレストランもない。
たまたま見つけた駄菓子屋でかき氷をもらって、それぞれ舌の色を赤色と青色にした。
店番のおばあちゃんに「かわいいカップルさんやね」と言われて、ふたりして真っ赤になった。
帰りの電車で、西さんは俺に頭を預けて眠っていた。
彼女が座席に落とした花を拾って、そっとポケットの中にしまう。
真っ赤なアマリリスは、彼女の白い肌によく映えそうだった。
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