その晩、学校の課題と予習復習を全て終えてから、西さんに借りた本を読んだ。

昨日の本と話の設定は酷似していたけれど、最後まで誰もいなくなることなく、無事にハッピーエンドを迎えた。やっぱり、ハッピーエンドが一番だ。


その本からは、自室の畳の香りに混ざって、少しだけ西さんの甘い香りがした。