『つまらない』

『展開、ストーリーがありきたりで中身が薄い』

『盗作してあのレベルはヤバいwwもう小説家名乗るなよww』

修也は「ハハッ……」と乾いた声で笑う。あれだけ有名小説家として世間に注目されていた修也は、今は盗作を疑われて炎上している最中だ。しかし、修也は盗作など全くしておらず、それを世間に何度も説明したのだが、火に油を注ぐ結果になるだけだった。

「もう疲れたな……」

外を歩けばマスコミに追われ、ネットには誹謗中傷の嵐、自宅も特定されてしまい嫌がらせをされることも多くなってきた。

「僕の人生、一体何だったんだろうなぁ……」

思い返したくもないほど暗いものだった。やっとその暗闇から抜け出せたと思ったら、すぐにまた暗闇に沈められる。修也の瞳から涙がこぼれ、頬を伝った。

修也は、床に落ちているカッターナイフを手に取る。キチキチと嫌な音が響く中、修也は泣きながら笑っていた。

「幸せになりたかった……」

修也は躊躇うことなく、カッターナイフで自身の手首を深く傷付ける。そして、目の前は暗闇に包まれた。