「リオン、あなたは今日からこの子のお兄ちゃんなのよ」

リオンくんのお母さんがそう言い、リオンくんは「僕がお兄ちゃん！？」と嬉しそうに笑った。そして僕を強く抱き締める。

「あなたの名前、私たちが話し合って決めたの。ノワールって名前はどうかしら？」

「ノワール……。いい名前だと思います」

リオンくんのお母さんに言われ、僕は一気に安心して微笑む。この異世界に居場所ができた。それだけで胸が温かくなる。

その後、リオンくんのお父さんに魔法をかけてもらい僕の本当の年齢を調べてもらった。僕は五歳らしい。そりゃあ頭が重くてうまく走れないはずだ。

「これからは家族なんだから、敬語なしで喋ってね」

お父さんとお母さんからそう言われ、僕は子どものように大げさなほど喜び、頷いた。