リオンくんは魔法を僕の目の前で使い、風を操ったり氷を様々な形に変えたり、僕と遊んでくれた。その魔法に驚きつつも、僕の胸の中には不安が生まれていく。

話し合った後、僕はどうなるんだろう?この世界に孤児院というものはあるのかな?僕は魔法を使うことができるのかな?

そんな不安から、僕はリオンくんの魔法を素直に楽しめることができなかった。

どれほど時間が経ったんだろう。家のドアが開き、「二人とも入っておいで」とリオンくんのお父さんが言った。僕は緊張しながら家の中へ入る。

家に入ると、リオンくんのお母さんが三時のお茶の用意をしているところだった。リオンくんのお父さんと自分のぶんに紅茶を淹れ、リオンくんと僕にはホットミルクを用意してくれる。そして手作りのクッキーも出され、全員でテーブルを囲む。

「君のことを話し合って決めたよ。君を僕らの家族として迎える。僕らの子どもになってほしい」

リオンくんのお父さんに言われ、僕は「えっ……」と声を出す。でも、リオンくんのお父さんもお母さんも優しく微笑んでいた。