「……お、おはようございます……」
寝惚けているのか、しばらくぼうっとしていた先輩の目が次第にしっかりこっちを向いて。
「あ、やっぱり佐々だ。うん、おはよ……」
(先輩、寝起き悪い? まだ寝惚けてるけど……)
「あ、いや、これはその……」
(……って、何で私が言い訳を……)
ゴンのやつ。どうせなら、先輩を連れて帰ってくれてたら。せめて、会社まででも。
(いや、それは先輩に悪いけど。でも、これはどうしたら……! )
「え……夢じゃない……? 」
「……ですけど、な、何も……!! 」
まず主張せねばなるまいと、身を乗り出して気づく。
大澤先輩の目が、開かれた胸元で静止していることに。
「あ……! 」
慌てて前を掻き合わせる。
「………そ、そうか。でも、どうやって佐々の家に」
それからも繰り返し言ううちに、何とも複雑な顔でもっともなことを尋ねられた。
(……そ、それは)
「……あ、あれからウロウロしてたら、酔った先輩に遭遇しまして」
連れて来たのは私だ。
中身はゴンだったが。
しどろもどろなのを勘違いしたのか、先輩は頭を抱える。
「ダメだろ、連れて帰っちゃ! ……って、俺が言えることじゃないけど……。酔ってこんなことした挙げ句、まるで覚えてないなんて……最低だ」



