李世先輩は私のことを知り尽くしている?



「……ねえ、つぼみちゃん」



「今度はなに?」


「私、つぼみちゃんと仲直りしたい……!また、楽しくおしゃべりしたいよ……っ!だって……」




だって。だって。


つぼみちゃんは――




「中学の頃からの、親友だもん……!」




つぼみちゃんの目が、大きく見開かれる。


何度か瞬きした後、おもむろに声を放つ。





「……まだ、そんな風に思ってくれていたの?」


「当たり前だよ!」



「……そっか。そうだったんだ……」





私の答えに、つぼみちゃんは反芻するようにぶつぶつとつぶやく。


ひきずるように手足を動かすと、大の字になって、フッと吐息をもらした。




「バカだったのは、ウチだったんだ……」



「ど、どういうこと……?」




私の疑問に、つぼみちゃんはポツリと話し始める。




「ウチが勝手に勘違い――いや、思いこんでいたの。陽茉はもうウチのことなんて、どうでもいいと思ってるって」

「え、ど、どうして⁉」


「だ、だって……同じクラスの子と、すっかり仲いいじゃん。入学してすぐ、陽茉を見かけて話しかけたのに、あの子と話すのに夢中で気づいてくれなくて……もうウチは必要ないんだなって思ったら、悲しくて、悔しくて……」




同じクラスの子。


じゃあ、つぼみちゃんの態度が冷たくなったのは、李世先輩が原因じゃなくて、梓ちゃんだったんだ。




「梓ちゃんも、大切な友達だけど……つぼみちゃんと積み重ねてきた時間が消えることはないよ」



「そうだよね。……ああ、もう、ホントにバカだ、ウチ。ごめん。ごめん、陽茉」





つぼみちゃんは、腕で顔をおおった。


その体は震え、声も上ずっている。


私は、つぼみちゃんの肩にそっと手を添えた。




「ううん。私こそ、気づかなくてごめんね。今度同じことがあったら、中学の時みたいに、私のほっぺをつついてよ」


「うん……!」




つぼみちゃんは腕を上げて、わずかにうなずいた。




……そうそう、この顔だ。


私の好きな、つぼみちゃんのキラキラした笑顔。