俺が琴音の肩を掴み自分の方へ引き寄せると、琴音の体がビクッと跳ね上がった。
琴音はそれが恥ずかしくて大粒の涙を流してる。
その姿を見るのか辛かった。早く楽にしてあげたかった。
琴音はもう自力で歩ける様な状態じゃない。
マンションも近いし、お姫様抱っこで連れていこう。
「……なな、せ…」
「うるさい」
こういう時くらい、名前で呼べばいいのに。
「……あおくん」
まさか、呼ばれるなんて思って無かった。
昔は呼んでくれたのにね。
……俺のせいだけど。
こんな状態で1人家に返す訳にもいかず、とりあえず俺の家に連れてきた。
ベッドに寝かすと、嫌だといってシャツの裾を掴まれた。
その時見えたんだ、君の首筋に"ソレ"が付いてるのを。



